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誰もやってないから、砲丸投げ?!



何か、変わった考えをする人だなぁ……。



ゲームやってるだけじゃ、全く見えなかった事だよね。



こんな裏設定があったなんてさ。



いやいや、こんな裏設定なんて嫌だよ。




「でも、気持ちいいと思わないか?」



「……え?」




地面に落ちた砲丸を拾い上げる馬渕君。



私が聞き返すと、彼はフッと笑った。




「大声を張り上げて、投げるという行為が」



「……どうだろう?」




遠くに飛んでいけば、それは気持ちがいいのかもしれないけど。



微妙だと思うんだよね……。



それなら、大声を張り上げながら、全力疾走した方が、スッキリするような気がする。



もちろん、そんな事は言えないけどね。




「俺はさー、何とかしてこの砲丸でリフティングやってみたいとか思うんだよなー」



「いやいやいや、それはやめた方がいいと思う!ケガしちゃうって!」




いくらゲームの中でも、そんな無敵な設定にはならないし……。




「ま、冗談だけどな」



「そ、そっか!さすがに冗談だよね……」




馬渕君の言葉に、ハハッと笑う私。



そんな真顔で冗談なんか言わないでよ……。



馬渕君なら本当に砲丸でリフティングやりそうだしさ!




「毎日暑くてダルいけど、楽しくやろうぜ!」



「あ、う、うん……」




もしかして、暑さに負けないようにって励ましてくれた?



……それは嬉しいけど、何も砲丸投げじゃなくてもいいのに。



しかも、真夏の炎天下で砲丸投げって余計にダルくなるんだけど。

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