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『次に攻略したい季節と相手を選んでね!』
攻略したい季節と……相手?!
画面に表示されたキャラクターは3人。
私が、クリアしたゲームに出てきた3人だった。
馬渕君、九条君、手越君……。
「えっ?!まさかゲームのキャラとリアルに恋愛できるって事?!」
リアルではなく、ここは夢の中。
でも、そんな事はどうでもよかったんだ。
夢だとしても、こんなに幸せな夢は他にないはず。
私ははやる気持ちをおさえながら、モニターをもう一度よく見た。
ここには4人目のキャラの選択肢はない。
シークレットキャラがウワサされていたくらいだから、せめて夢の中だけでも出現してくれたらよかったのに。
それともやっぱり、存在は幻?
でも、それならスチルにいた謎のキャラの存在って一体……?
今ここでそれを考えていても時間のムダ。
いつ覚めるかわからない夢の中。
少しでも長く体験するためにも、余計な事を考えるのも選択肢で悩む事もすべてムダ。
「やっぱり最初は馬渕君かな。季節は……夏!」
馬渕君の爽やかさで、夏の暑さも気にならなそうだし。
でも最初に季節とお相手を選択だなんて、斬新なシステムだなぁ。
普通は1年間、もしくは入学から卒業まで3年間通すシステムなのに。
『それでは、頑張って攻略して下さい』
モニターから声がして、画面を見ると目を開けていられないほどのまぶしい光があふれ出した。
「え、な、何これ……!」
攻略して下さいと言っておきながら、モニターを見せないなんて!
どうやって恋愛するのよーっ?!
疑問に思っていたけれど、急激な睡魔に襲われて、私はその場に崩れ落ちた。
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