第9話
薄暗い廊下に人の気配。こっちにもびっくりして、「ひっ……!」と短い声を上げる。
「なんでそんなに震えてるんだ?」
と、再び話しかけてきたのは、よく見たら部の先輩だった。
三年生の
イケメンだけど、クールを通り越して冷酷な人かと思うほど無口な……。
「あ、あの、橋本先輩も聞きませんでした? そ、そこ、宴会場から悲鳴……」
まだ腰を抜かさないだけマシだったが、震えて歯はガチガチだった。
「……いや」
橋本先輩は表情を変えないまま、私の横を通り過ぎ、廊下の突き当りにあるトイレへと向かって行った。
『え? あの騒ぎが聞こえなかった? 嘘でしょ?』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます