scene 6: Escape, and discovery of poppy
Huggy Wuggyが出てきた瞬間に警報が鳴り響いた。先程、ベルトコンベアー内で聞いた音と似たような。だが、音の量と音階が先程よりもけたたましかったことからー
「まさか…モーションセンサーか‼」
「おいおい嘘だろ⁉」
「とにかく逃げるぞ‼」
そして二人はおもちゃが出てきた先のベルトコンベアーのドアが開いているのを確認し、真っ先にそこに入った。
「ふー…」
「セーフ…」
「まじかよ…」
「奴がいる以上、下手にここから出たらやられるのは確実だ。奥に行くぞ。」
「おう。」
二人は先に進んだ。滑り台を進み左に曲がり奥に進む。
「お、左側に通路がー」
足が止まった。二人の目に一瞬映ったのは高速で移動するHuggy Wuggyの姿だった。
「「・・・・・・」」
瞬間、二人はダッシュ。一刻も早くこの通路からの脱出を試みた。左、右と曲がり進むと正面から高速でHuggy Wuggyが追ってきた。
「嘘だろ⁉早すぎんだろ‼」
「長ぇ手足を使ってるんだよ‼それで高速移動を可能にしてんだ‼」
話しながらも二人は空いていた右の通路へダッシュ。更に右に曲がり直進して左に曲がり道がローラー&坂道なので左へ曲がり直進するー
直後穴が空いている事に気づき、落下。
ドサドサッ
「うっ。」
「ぐっ。」
「急ぐぞ‼」
「ああ‼」
落ちた先は直線型の通路になっており先は暗闇だった。
「いつまで続くんだーうおっ⁉」
「わっ‼」
先はあったが滑り台となっていた。滑り落ちると先は崩れており通れなかった。
「えっ、えっ、えっ⁉」
「右だ‼吹雪‼」
滑り落ちた先の右には通路があり、二人はうねる道を進み、再び直線型の通路に出た。
「急げ、急げ、急げ‼」
「Huggy Wuggyは‼」
「かなり引き離したはずー」
プシュー
「「・・・・・・はっ?」」
ドアが閉まった。
「嘘だろ、嘘だろ、嘘だろ⁉」
「どこかに…何かあるはず…あった‼」
左側に、しゃがんでなんとか通れる隙間があった。
「よし、じゃあー」
ダンダンダン、ダンダンダン
「まずい来てるぞ‼急げ‼」
まず、吹雪が先に通り、その次に文也が通った。
右、左、直進ー再び右、左を通ったあとー
「前⁉右⁉」
「とりあえずー」
プシュー
ダンドンダンドン
正面のドアが閉まったと思ったら、右側からHuggy Wuggyが追いかけてきた。
「おいおいマジかよ…」
「終わったかもな…」
その姿は正しく死を、絶望を表しているようだった。
二人が死を確信した瞬間ー
プシュー
「「⁉」」
ドアが開いた。
(この機を逃すな‼)
一瞬で判断し、文也はHuggy Wuggyへ向けて一発発射。
脳天に一発喰らったHuggy Wuggyはけたたましい叫び声を上げて怯んだ。その瞬間、二人は再びダッシュ。両足がぶっ壊れるぐらいの力を込めて走った。何故か床が逆側に流れていたが負けじと先に進み、なんとか突破。直後、再三の滑り台を発見。迷わず滑り落ちた。
「「うおっ⁉」」
二人は今まで見た中で最も広い空間に出た。しかし道の先は途切れており、進むことはできなかった。
ガン ガンガンガン
「ふぅ、これまでか…」
(まだだ、まだ何かあるはず…)
上を向いた文也。
「‼」
複数の手形が付着した木箱を見つけた。
迷わずグラブパックを発射し、引き落とした。
直後にHuggy Wuggyが出現し、箱が直撃。
レールも破壊され全員下の通路に落ちた。
だが、Huggy Wuggyはバランスが崩れて、うまく取っ手をつかめず下のパイプに何度も打ち付けられながらも工場の深淵へと落ちていった。
「……終わったのか?」
「ああ…だが、見てみろよ…」
「……⁉」
吹雪が見たのは、Huggy Wuggyがぶつかったパイプだった。
なぜなら、ぶつかった場所に血液があったからだ。
「どういうことだ…」
「……とりあえず、ケシの花ーpoppyを探すぞ。」
「…んーでもどこに…あった。」
吹雪が見つけたのは壁一面に描かれたポピーの中心にあるドアだった。
そこまでの道のりはとても入り組んでいた。直進して左に2回曲がったかと思ったら、右に階段があり、登る。そして再び直進して、左折、すると2つの道に分岐しており、真ん中辺りにVHSがあった。
「……黒いVHS?」
「でもどこに…」
文也が首を動かすと、右手側にビデオデッキがあった。
「あれで見れねーか?」
「うし、試して見るか。」
そして、右に直進し左に曲がり、更に右に曲がる。後、直進するとビデオデッキとTVがあった。VHSを入れるとー
[最終ログ:実験ー1006「プロトタイプ」について。
彼には協力も連携も可能のようだ。
彼と同じ型もそうだ。
彼はいなくなったが、今回の出来事は明らかに彼の仕業だ。
彼の失踪は科学的方法のミスだ。
絶対に見落とすべきでは無かったのに。
だからこそ、このメッセージを残している。
二度と同じ過ちが起きないようにね。以降の実験物をちゃんと処分しなければならない。
私は、自分の心配を全くしていない。
突破口さえあれば、問題なく復帰できる。
俺達は、科学のために進まなければならない。下の人々がそれを理解しているのにも関わらず。
ログをー]
ブツッ
「これって…」
「プロトタイプ1006……?」
「他にも何体かいるってのか…」
「そのうちの1体がHuggy Wuggyだとすると、まだ複数いるってことになるな……」
「こんな事件が起きていたなんて…」
「もしかして、poppyも…」
(なのか?だとすれば、何故俺たちに助けを乞うたんだ?いや、まずは会いに行こう。)
「行くぞ。」
二人は来た道を戻り、分岐点で反対の道へと進んだ。すると、下に降りる階段と身体を糸で貫かれ、吊るされていた。そして、花の中心に重なるように扉があった。
「行くぞ。」
「ここまで来たら、変えるわけにも行かねーよ。」
文也は軽く微笑み、決意を固めるようにしてドアを開けた。
先はとても長い下へ続く階段となっており、洋館のような壁紙とランプが横についていた。
「なあ、poppyって何なんだ?」
「playtime社が作った人語を解する人形だ。これの発明によってplaytime社は多量の財を成した。」
「へー。んじゃあ、本物の人形からの手紙かー。」
「ああ…お、着いたぞ。」
階段の下は金網状の衝立が立っており、左側に通路が、その左に棚が、奥に小さい家が、更に右側に通路が見えた。迷わず進む二人の目の前の通路は真紅の光に染まっていた。
「あそこか…」
「行くぞー」
二人は赤く染まった道を進み、扉を見つけた。
「開けるぞ。」
ガチャリ ドアが開いた。
中の部屋は通路と同じ様に真紅に染まっておりおもちゃが散乱していた。オルゴールも奏でられておりpoppyは部屋の主の様にケースの中にいた。文也がケースの扉を開けるとー
シュポッ キィー
人形のように全く動かなかった(実際人形だけれども)poppyが徐々に瞬きを始めた。青い服、雪のように白い肌、そして名前の由来にもなった深紅の髪の毛、化粧もしており、青い目を持っていた。Huggy Wuggyの頭と同じくらいの身長の人形が、話しかけた。
「……あなたとははじめましてね。そして久し振り、文也。」
「ああ、久しぶり、poppy。」
二人は軽く微笑んだ。
(あのー…俺は?)
この状態では吹雪は完全に部外者となっていた。
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