scene 4: To solve a mystery of it

開けたゲートの先の通路を進みメインホールであろう場所に着くと、

「………懐かしいな。久しぶり。」

「何いってんだ文也。人形相手に。」

二人が見たのは、そのうち一人が話しかけたのは人形だった。

「確か、ここで生産されてたんだっけ。」

「ああ、名前はHuggy Wuggy。」

「しかし、すごい見た目だな。これで人気あったのかよ。」

その人形は全身青く、手足は黄色く、2つの目と赤い唇を持った人形だった。首元には、リボンが巻かれており、唇は優しく笑みを浮かべ、右腕を上げて、挨拶しているようだった。

「ん?なんだこのボタン。」

「ああ、確かHuggy Wuggyの音楽が流れたはず。今でも流れるかな。」

「ものは試しだ。やってみるぞ。」

ポチッ

軽快な音楽が流れた。だが夜、しかも廃工場なので不気味さの方が勝っていた。

ちなみに、人形には説明の文もあり、

[playtime社の創設者、エリオット・ルードヴィヒはあなたを永遠に抱きしめることができるおもちゃを作る事に成功しました。そしてHuggy Wuggyはplaytime社で最も人気が強く、最も売れているおもちゃとなりました。]

と書いてあった。

(ちなみに作者談ですが、”あなたを永遠に”ってところにホラー感を感じます。あ、すみません邪魔しちゃって。話戻りまーす。)

「取りあえず、左側に認証機があったからやってみようぜ。」

グラブパックを発射し認証すると、直後にバチッと音が鳴り、チャリンと言う音も同時に鳴った。

「うっ!畜生、ショートだ。」

「ああ、でもなんか音しなかったか?」

そして振り返るとー

「あれ?鍵があるぞ。」

「おかしいな…さっきまでなかったのに。」

「まあ、使わせてもらおうぜ。頼んだ。」

「おお。」

ウィーン シュポッ パシッ

「確かこの鍵は…ああそうだ、この形、発電室のやつだ。」

「んじゃあ、そこ行って見ようぜ。」

「そうだな、ちょうど次の場所に行くのに電気必要だし。」

そして、彼らは<power>と書かれた発電室へ向かった。


後ろで”何か”が動いたのも気づかずに。


「………何だこりゃ。」

吹雪がこぼした。

(そりゃそうだ。)

彼らが見たのは、入り組んだ造りの発電室だった。

「こんなん、どうやって解くんだよ。」

「……ああ。思い出した。」

「何を?」

「この部屋の発電方法だよ。確か、奥の方に主電源があり、そいつを2本のポールに繋ぐんだ。一番手前のやつが、もう一方の電源と繋がっている。」

「いやそもそもどうやって…確かそいつ、電気を通すんだよな。」

そう言って、吹雪はグラブパックを指した。

「ああ。だからこいつを使って、電力を復旧させる。」

「なるほど。んじゃあ、早くしようぜ。」

「おう。」

二人は左側から前へ進み、右に2回曲がった。すると、文也たちの前に沢山のカラフルな手形が着いたカバーに覆われた電極が眼に入った。

「あー、こいつだ。」

「これか?」

「ああ。まずこいつをー」

ウィーン シュポッ バキャン

何のためらいもなく電極のカバーをひっぺがした。

「ってオイ‼いいのかよ⁉」

「最初っから取れてた事にすりゃあ問題ねーだろ。」

「うーん……まあでも、そういうのは最小限にするぞ。」

「おう。」

そして、電極にグラブパックの左側の手を付けた。それにより、コードは白く光った。どうやら通電しているようだ。そして、電気を通すためにまず、後ろに進み途中にあったポールに触れさせた。

「おっ、光ったぞ。」

「おっし、あと一つだ。」

更に後ろに進み入り口の前の電極に繋がった柱に触れさせた。するとー

バチバチッ ジジジジ…

「うっし、電気がついたな。」

「てことはー」

「ああ、左側のグラブパックの扉が開く。」

「んじゃあ、早く行こうぜ。」

「おう。」

そして戻るとー

Huggy Wuggyが消えていた。

「「・・・・・・」」

しばらく無言の時が経った。

「………これって現実だよな...?」

「・・・・・・」

俺はホルスターから銃を抜きー

ジャカッ バァン ドチュンッ

また無言の時が経ったー

「ああ、ありえねー現実だ。」

「どういうことなんだよ……」

「とりあえず進もう。」

それ以外に道は残されていないような気がした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る