scene 1: Front of the playtime

ジリリリリリリリリ

目覚まし時計が鳴り響く。

「んあー?ん?ヤバっ、もうこんな時間かよ‼」

現在午前七時、かなりヤバい状況です。


俺の名前は文也、言ノ葉文也。私立探偵をしており、時々依頼を承っている。しかし、最近はめっきり依頼が来なくなり、バイトを複数兼業して、なんとか生活しているくらいになっている。え?何でこんな文章書いているのかって?これからわかりますよ。その前に少しだけ日常に戻ります。


急いで顔を洗って、軽い朝食。昨日の夜の残りだけどな。すぐに口の中に流し込み、歯磨き、着替え、荷物選び、それらを済ませて、急いで外に出る。ちゃんと鍵を忘れずにかけて、駅までダッシュ。軽い運動をしているのでまあ楽ではある。が、朝食が出てこないか少し心配である。

直ぐに駅に到着し交通系ICで改札を抜ける。そして電車に乗ってメールの確認。

(えーと何が来ているかなーっと)

[文也 今どこや‼]

[今電車に乗りました‼ すぐに着きます‼]

[急げよ‼]

(ったく先輩、時間に厳しいんだよな。さて、他にはー…ん?)

[久し振り 文也 ちょっと今日相談があるんだけど、昔の居酒屋で話さないか?]

(話?なんだろうな)

[いいぜ あそこで相談な]

そうこうしているうちに、バイト先の駅に到着した。

ついて早々先輩にドヤされた。

「遅いぞ‼はよせぇや」

「すんません‼急ぎます‼」

ドヤされた後はここ、某有名店でのアルバイトでめちゃくちゃ働いた。

~数時間後~

「ふー、お先に上がりまーす。」

「おー、文也お疲れさん。」

(さてと、)

[今、終わったぞ。]

[了解。先行っていつもの席で待ってて。]

そして、行きと逆の手順で自分の家の駅に戻り、少し離れた、俺たちの馴染みの店に着いた。

ガラガラガラガラー

「おう、らっしゃい‼あっ‼久し振りだなぁ、元気だったか?」

相変わらずの大声で、俺を迎えてくれた店主、おやっさんがいた。

「久し振りおやっさん。奥の席使ってもいいかな?他にも連れが来る予定なんだ。」

「いいぜ。なんか先に頼むか?」

「ああ、コーラを1つー」

すると、後ろから聞き慣れた声が聞こえた。

「それとウーロン茶を1つくれ。」

「おお。いつの間にいたんだ?」

「ついさっきさ。とりあえずそれだけで。」

「あいよ。」

声の主ーそれこそが、俺の親友であり、同僚であり、相棒の九十九吹雪だった。彼は、今も俺の探偵事務所で相棒としてやってくれているが、お互いの生活と依頼のなさから、互いに働いている。ちなみに彼は新聞社で記者をやっている。

奥の席に着くと注文した飲み物が来た。

「久し振りだな。」

「ああ、とりあえず乾杯。」

キンッ 小気味良くグラスが鳴った。

「なんか頼むか?」

「ああ、板わさと焼き鳥頼むか。」

「おお、すみませーん。」

「あいよー」

「板わさと焼き鳥三種セット一つずつお願いします。」

「あいよ。」

そして、一〜二分で出来上がって持ってきてくれた。

久し振りの居酒屋の飯、懐かしい味がした。

そして、注文した飲み物を飲みながら

「それで、相談って何?」

「うん、それはねー」


ここから、俺の日常は一旦離れて、とても不気味で、恐ろしく、まさに非日常と呼ぶにふさわしい世界へと動いていった...

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