第8話

―中途半端に願いが叶い、翌日の天気はどんよりとした曇りだった。


運動会は開催され、暑い中スーツで来賓として出席していた私は既に汗だくだ。


「こんにちはー!」


目の前を通る際、子供達が元気よく挨拶をしてきた。


「こんにちは、蒸し暑いけど頑張ってね」


私は、少しひきつった笑顔で返した。

子供はどう対応していいかイマイチ分からない。

自身に子供がいない為、PTAにも属してないから子供の顔を覚えられないのだ。


その点は、夫の予定とは大きく違っていたはず。

地方議員とは、青年部や自治体、学校関係者との繋がりが広く深い程、選挙にも有利だからだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る