最終話
電車の中の憧れの彼女は、ネットの中の大好きな人で。ネットの中の大好きな人は、電車の中の憧れの彼女。私は、その人そのものに惹かれていたのだ。
「私もね、ずっと電車で気になってたの」
yukariさんは、鼻歌でも歌いそうなほどふわふわした声で言う。私は緊張して、大したことも話せずに相も変わらずしどろもどろ。
「有未ちゃんだってわかった時は嬉しかったなぁ。ね?私たち気が合いそう!」
私の左手を取って、いとも簡単に指を絡める。いわゆる、恋人繋ぎだ。yukariさんは、あたかも普通かのように接するが、私は恥ずかしくてゆでだこのように真っ赤になる。
「有未ちゃん、これからもよろしくね?」
「こっこちらこそっ!!」
それから二人の朝は「おはよう」で始まるようになった。
電車と君と、私。 洗拓機 @sentakuki1217
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