第2話
「で?今日は何の用ですか、小鳥遊くん」
「なおせんせーとランチしたいなぁと思って」
「だから、教室で食べなさいっていつも、」
「はい、購買のアップルパイ」
「……」
うぅっ、悔しい。
私の大好物。だけどギリギリまで授業のため教室にいなきゃいけない私には、なかなか手に入れることができない、購買のアップルパイ!!
「欲しい〜?」
と、私の顔の前でヒラヒラとアップルパイが入った袋を揺らして見せる。
くっ、でもここで負けたら大人気ない。
毎回毎回その手に引っかかると思うなよ!!
「私はお弁当があるので、」
「今日、アップルパイ5個限定でさー」
「……」
「購買のおばちゃんが今週はもう出さないって言ってたよ?」
「……」
「次食べれんのいつになっかね?」
ニヤリと笑う小鳥遊くんとは反対に、私の顔はどんどん曇っていく。
そんな私に「強情だね〜」と笑いながら、アップルパイの封を開けた小鳥遊くん。
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