第2話どっちも、どっち
9人は予約なしで入れて、安い居酒屋を探した。
大学生は、飲むのが目的ではない。
騒ぐのが目的なのだ。
そして、大崎隊長が皆んなを誘導した。チェーン店では無く、やっすい値段を見て隊長は選んだのだ。
店員がファーストドリンクの注文を取りにきた。
皆んな、覚えたての酒を注文した。
中本なんか、
「カルアミルクの水割りで!」
と注文して、
「は?」
と、店員に言われていた。
隊長が乾杯と言って飲みだした。1時間も飲むと皆んな酔い声が大きくなる。
店員が注意に来る。
「お客様、騒がれると他のお客様にご迷惑ですから」
と、言われてしまった。
しばらく大人しく飲むと、また騒がしくなる。
「久美子ちゃんは、結構ブスだよね?」
と、川畑に坪井が言うと、
「えっそうかな?坪井君の方がもっとブサイクよ」
「良いや、君はいい顔をしている。ブス度98%だね」
2人は己の面などで口げんかになる。
「ねぇ、今度旅行に行こうよ」
と、細田が言うと坪井と川畑以外は賛成した。
坪井が、
「オレかっこいいと思う人!」
誰も手を挙げなかった。
「じ、じゃあ久美子ちゃんがブスと思う人!」
と、坪井が言うと皆んな、戸惑いの顔見せたが手を挙げなかった。
「坪井君の息が臭いと思う人」
女の子2人が手を挙げた
「お前らなにやってんだ!馬鹿な事はやめろよ!」
「きっさま〜、植林!まさか、お前らの「ら」の中にオレが入っているんじゃないだろうな?冗談じゃねえよ!」
「皆さん、馬鹿はほっときましょ?」
「だまれ、この腐れ売女!」
「うるせぇ、このブ男」
夏休みに思いっきりバイトして、8月旅行へ出掛けるのだが、それはまだ未来の話し。
9人はカラオケに向かった。
隊長はラルクのファンなので、歌い方まで似ている。
川畑は、「昭和枯れすすき」を歌い、同じ女子の三井や高山が笑い、男性陣は呆れていた。
力を出し切った川畑は、フーと息を付き、カシスオレンジを飲んだ。
次は坪井!
坪井は、「あ〜う〜オジャママン」を歌った。
「トンマのマントに誘われて〜、わ〜るいことしてるでしょ♪」
あ〜う〜♪
と、男性陣は歌う。
「あ〜くの〜おおじゃよ〜♫」
カラオケは深夜まで続いた。
終電は終わったので、川越に住んでいる古屋のアパートで始発を待つ事にした。飲めやしないウイスキーをコーラで割って飲み始めた。
飲んでるのは、坪井、大崎、中本の3人。他は雑魚寝していた。
翌朝、坪井はトイレでリバースした。
すると、大崎が、
「坪井君は、ヘド吐くんだね」
「ヘド?」
「真っ黒じゃないか!」
コーラの色素は黒いので、ヘドは黒くなる。
皆んな始発で帰宅した。
北千住に住む高山は、古屋に一晩の宿泊代として、5千円札を置いて帰った。
電車の中で坪井と大崎は爆睡した。
そして、最寄り駅を越して終着駅で駅員に起こされた。
また、戻る。
何をやってんだか……。
高校生時代思いっきり勉強して、大学生になったのに、高校生時代は想像もしない大学生活を送るのが、日本の大学生の常であるのだ。
駅を降りた、坪井は立ち食いそばを食べて帰宅して、自宅で爆睡した。
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