第49話

しかし、前世では、あれほど陰気臭かった

蘆屋道満が、現世ではこんなにチャラくなってるとは……。


晴明とは、あまりにタイプが違いすぎるので

どう接すればいいのか、少し頭を悩ませた。


蘆屋道満って現世の人間に知れ渡ったら、俺以外の

人間だって、がっくりするんじゃないだろうか。


きっとこいつの力を悪用しようとする人間だっているはずだろう。

なのに、これじゃあ……。


「蘆屋道満、自由に恋愛を楽しんでるって言ってたよね?」


「言ったけど?君ら二人だって、そうなんだろ?」


「そうだって断言しちゃいたいけど、俺らは霊感あるから

妖魔がうじゃうじゃ寄ってきやすくてさ」


「そっかー、なかなか現世は現世として生きていけるものでも

無いんだなー、俺は、前世では、悪の根化みたいな存在だったのに

そのうち、俺も、君らみたいに、霊感に目覚めるのかなー」


「蘆屋道満なんだから、能力も覚醒したら、どうってこと

ないだろ?俺たちは、晴明の部下だから、そんなに能力も高いわけ

じゃないけどさ」


「それは、心強い言葉だな、前世では敵同士だったのに

不思議だよね」



何か……調子狂うな……

チャラそうな奴だと思って話してみたけれど

実際話すと、割と普通っぽいし。


人は見かけにはよらないとは

このことか。

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