本当の気持ち

第47話

綾が俺の部屋に出入りするようになってから

暫く経って、再び晴明のいる

京都へ。


以前も、何度か行っていたが

最近は、前にも増して、京都に行く回数が

増えた。


こまめに、京都に行って、晴明の助けをし

そして、蘆屋道満を探し出し次第

この日本中で起きている一見、自然災害に見える

災害を一掃する予定だからだったのだけれど……



晴明の家に出入りして、早、三か月

今のところ、晴明から新たな情報は入ってきてはいない。


晴明にも、色々と現世での生活もあるから

分からないこともないけれど……


北海道で暮らしていた俺たちを

いくら部下といえど

そう何度も、自分に都合よく呼び寄せられていては

たまったもんじゃない。


週末は、いつも京都に来ていたので

大体、京都の街を観光がてら探索することも

済ませてしまった。


「どうする?私たちも一緒に、蘆屋道満を探してみる?」


「綾は、怖くないの?」


「そりゃあ、前世では命を奪われた相手だし

全く怖くないと言ったら嘘になるけれど……

でも、現世では、湊が守ってくれるから、大丈夫」


「守るよ、どんなことがあっても

自分の命に代えたって」


俺たちは、そう言いながら見つめ合った。


ふたりの世界に入りそうになった時

咳払いが聞こえた。

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