第8話

せっかく見つけた彼女との接点だ

ここは意地を張らずに

素直に入部すべきだ


迷うことは何もないはず


彼はそう自分に言い聞かせながら


入部することにした


までは良かったのだが



しかし、事は簡単ではなかった



彼女に近づこうとするも

一年で初心者の彼は

雑用係のようなものだったからだ


もしかしたら

俺は、雑用させられるために

入部させられたのかもしれない



そんなことを考えてしまう


それでも

彼女が弓を射る瞬間は

その姿にくぎ付けになっていた



本当に

上手いな



早く話しかけたいのに

話しかける隙が無いくらい

彼女はいつも、部員に囲まれていた


まぁ

あれだけ上手ければ

教えて欲しいという人物も

沢山出てきても

おかしくはない



こうやって


こう……


弓を持つ構えをしながら

彼が

イメージトレーニングを

ひとりでしていると


近づいてくる人物がいた



「皇くん」


声の主は

女子だった


超えの方向に目をやると

そこには

彼が話しかけたかった

人物が

そこにいた

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