第7話

「もう、サークルとか部活は決まってる?」


「いえ、まだです」


「良かったら、弓道部どう?」


「初心者なんで、上手く射れるか分からないんですが」


「最初は、皆そうだよ」


上級生らしき人物は

気さくに彼に話しかけながら

弓道部への入部を勧誘する。


笑顔で話しかけてくるので

よっぽど優しい人なんだろう。



そんなやり取りをしているうちに

先ほどの黒髪で色白の女子が

弓を下ろして

ひとまず今日は

練習を止めたようだった



「凄いね、今日も命中率100パーセントだね」


「昔から、弓道やってるからじゃないですかね」


「それだけじゃないよ、きっと天性の才能も

あるんじゃないか?」


彼女の周りを弓道部の部員にしては

軽そうな感じの男子が

纏わりついていた


苛々してしまいそうになったけれど

今はまだ彼女と俺に接点はない


俺は苦々しい表情をしながら

彼らを横目で

ちらっと見ていた

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