第4話

ゴールデンウィーク明けの大学は、ちょっとだけ

かったるかった。


でも、彼は漸く、記憶の中から一番最初に思い出した

人物と入学式で見かけた女子が一致したことに気づいた。



前世とか来世とか、よく分からないけれど

でも、あれは俺自身の昔の記憶。

この現世に生まれ変わる前の記憶なんだと思う。



流石に今のところ、過去に戻る能力までは、持ってはいないけれど

でも、俺は、彼女の名前をちゃんと呼んだりする以外にも

忘れてはいけないことを思い出した。


それを達成するまでは、本当の幸せなんて

見つけられないんじゃないか。



彼はそう思っていた。



まずは、あの女の子に会わなきゃ。

あの女の子を探さなきゃ。


あの時の約束を果たすために。

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