第25話

「他にオススメは、あるの?」



「うーん……全部!」



「あはは!高橋君らしいね」



「他にはまってるもの無いからな、俺。恋愛にも、あんま興味ないし」



「え?そうなの?」



「好きな子も特にいないし」



「高橋君を好きな子が、いたとしても、興味無いって断るの?」



「え?」



築島の素朴な質問に、俺は、ドキッとした。


「まさか、俺がいいなんて子いないよ、ただの音楽バカだし」



「そうかな?そういうところが好きって思う子がいるかもよ?」



な、なんなんだ?

なんで、築島は、そんなに俺に絡むんだ?



「築島こそ、どうなのさ?」



俺は、自分の方に向けられた話題を変えるべく、彼女に質問した。



「どうって?」



「彼氏とかいるの?」



「いないよ。でも……好きな人は…いるかもね」



築島のタイプって、どんな奴なんだ?

なんか気になる。

やっぱり、年上の落ち着いた人なのかな?



「『いるかもね』って、どういう意味?」



「あ、変な日本語だよね。でも、いると思うよ」



「『いると思うよ』って?」



「高橋君を好きになる子」

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