第24話

自分の好きなバンドの曲を誰かのために焼くのは、初めてだったから、新鮮な気がした。



あの曲と、この曲は外せないけど、この曲は、個人的に聴いて欲しいし………。


勉強にだって、こんなに時間を割いたことが無いくらいなのに、好きなバンドは別みたいだ。



俺は、夜遅くまでCDを焼く作業を続けた。






結局、寝たのは、午前2時を回っていた。


朝、顔を見るとクマができていた。


ちょっと、頑張りすぎたかな。




「おはよう、高橋君。うわっ?!どうしたの?そのクマ?」



「昨日、早速CD焼いたんだけどさ…」



「えっ?もう早?そのせいでクマができたの?」



築島は、すまなさそうな顔をした。



「あ、それは気にしないでいいよ。俺が好きでやったんだし、はい、これ。」



俺は彼女に焼いてきたCDを手渡した。



「こっ、こんなに?!」



俺は、どの曲も外せなくて、全曲コピーしたのだった。本当はベスト的なものを作りたかったんだけど、選びぬくことが出来なくて。


「運命感じたのは、この曲。で、あとは、暇な時に良かったら聴いてみて」

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