第21話
駅前まで来たら本屋の一軒くらい、あればいいんだけど………。
地味な駅前だったので、本屋は無く、俺の家の近くにも、音楽雑誌を扱っているような本屋も無く、このコンビニのお世話になるしか、無かったのだった。
雑誌コーナーで、その雑誌を物色し、俺は、迷わず、その雑誌を手に取った。
店内は、駅前のコンビニということもあり、学生たちがたむろしていた。
こんなマニアックな雑誌を買ってるのを見られるのが、気恥ずかしくて、俺は、築島じゃない店員のいるレジに並んでいたが
「お待ちの、お客様どうぞ」
という声によって、築島の待つレジに進むことになった。
「777円です」
と言われて、俺は、お金を払い、彼女は、雑誌をビニール袋に入れて、俺に手渡した。
で、そのまま店を出ようとしたら
「高橋君って、バンドとかやってるの?」
と聞かれた。
絶対、そう思うよな、こんなマニアックな雑誌なんか買ってたりしたら。
「いや、ただの音楽バカだよ」
「音楽バカ?」
築島は俺に、聞き返した後、クスクス笑いだした。
「いいね、音楽バカって言葉」
そして、そう言った。
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