第19話

でも、クラスの中で誰が一番、築島と話しているかと言えば、やっぱり俺だ。




築島は、他の女子たちとあまり、戯れたりすることが無くて、一人でいることが多かった。

マイペースな性格なんだろう。



別に女子たちが話しかけて来ないというわけでもなく、なんとなく距離を置いているという感じだった。




なんだか、それも彼女らしいな、なんて俺は思った。



築島のことを、好みだとか言っていた奴らも、なんだかんだ言いつつ、特にアプローチする様子も見せなかった。



俺と彼女の間には、何も無い。

俺は、意識したこともあったけど、特に恋愛感情を抱いてたわけじゃないし、築島だって、そうみたいだし。



なんか、こういうのも悪く無いなと思った。



彼女じゃないけれど、一番居心地のいい関係。



恋愛に興味の無い俺には、仲のいい女の子っていう存在が、心地よかった。



幼なじみ以外で女友達とかは、いなかったので、ちょっと新鮮だった。



なんだか築島とは、気が合いそうな気がする。


そう思った。


マイペースなのも俺と似てるし。


血液型占いは信じてるわけじゃないけれど、同じ血液型なのかもしれない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る