第15話

6月も、もう終わりかけている。


築島が来て早くも1週間が過ぎようとしていた。


1週間で、ずいぶん色々と印象に残ることやってくれてるけど………


そう思いながら築島を見たら、俺とは違って、真面目に授業を受けていた。



何が楽しくて、そんなに真面目に授業を受けてられるのか分からないや。



俺は、といえば欠伸を噛み殺しながら、ひたすら睡魔と闘っていた。



どの時間も、退屈で、つまらない。



うちのクラスの連中でも真面目に聞いてるヤツは、かなり少ないだろう。



ちらりと見た、築島の横顔は真剣そのもの。


黒板とにらみ合いながら、必死にノートを取っていた。



あとでノート写させて、もらって俺は寝るかな。



なんて思っていたら、いきなり当てられた俺。


一気に眠気も覚める。



あたふたと教科書を開こうとしたら、


絶妙なタイミングで

築島が解答をこっそり教えてくれた。



危うくピンチを免れた俺は築島に、礼を言った。


「ありがとな、助かったよ。俺、授業、ろくに聞いてなかったから」


「みんな、そういうもんだよ。気にしないで」


築島の言葉と態度の正反対さが、俺には疑問だった。

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