3.隣の君

第14話

築島と、席が隣同士だから


教科書を見せるのも、オレの役目となった。




というわけで、必然的に会話も、するわけで



この間の古典の時みたく、俺が寝ていなければだけど。



「高橋君って、下の名前、夕っていうんだ?」



ノートの表紙にある名前を見ながら


築島が言った。



他の女子は、みんな呼び捨てで俺を呼ぶから


なんか新鮮な感じ。


「そう、ちょっと女っぽい名前で嫌なんだけどね」



「でも、あたしの名前が美月でしょ?なんか、あたしも名前負けしてる気がして、ちょっと嫌だったりする」



築島は苦笑しながら、話した。



「でも…夕焼けの夕に夜の月でしょ?なんだか、あたしたちの名前って、どっちも空に関わる名前だから、なんか共通点って感じだよね」


築島は、一人頷きながら、そう言った。



築島と共通点のある名前。


俺は、あまり嫌な気はしなかった。


むしろ嬉しかったのかもしれない。



この会話を機に俺たちは、急速に距離を縮めていった。

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