第13話

土曜深夜0時25分。

いつものお気に入りの番組が始まる。



テレビをあまり見ない俺にとって、至福の時。



この番組がBase Ball Bear と、俺を結びつけてくれた。



運命の番組と言っても

おかしくない。


この番組で彼らのデビューシングルを聴いたのが


出会いだった。



初めて聴いた時から


何か特別な

独特のセンスを感じた。


他のバンドと違う、突き抜けるような、爽快なサウンド。


一回しか聴かなくても耳から抜けなかった。



タイトルも、印象的だった。



だけどバンド名までは覚えていなかった。




だけどある日、たまたま入ったCDショップで

目に留まった一枚のジャケット。



タイトルは覚えてなかったけど



見た瞬間、彼らのデビュー曲だと思った。



気付いたらCDを手に取ってレジに向かっていた。



その夏、受験生だった俺の部屋には、


この曲が何度もかかっていた。

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