第75話

社長の言葉が、あまりに直球すぎて

お礼を言うのが精いっぱいな私だった…


気障…というよりも

良く言えば素直なんでしょうね。


私も、これくらい素直になれたらいいのだけれど

なかなか難しい…


年下男子だから

こんなに素直なんでしょうか?

それとも、長年培ってきた性格的なものなのかな…


「社長は、生まれも育ちも、東京ですか?」


「そうです、吉田さんの都合さえ良ければ

いつでも、どこでも案内しますね」


社長は、にこやかな笑みを浮かべながら言うけれど…

激務な仕事をしてるのに、休みの日まで私に

付き合わせるのは忍びない…


と、私は思いました。


いや、でも…

好きだったら、好きな人と少しでも一緒にいたい


そう思うよね…


…でも、忙しそうだし

休みの日は、ゆっくり過ごしてリフレッシュして欲しいし…


そんなことより

お昼に食べるものを決めてしまわないと

始業時間に間に合わない。


「社長は、お昼何にするんですか?」


「ここまで来ておいて、何ですが…」


「え?」


「今日も、やっぱり外でランチにしませんか?」


「でも、それはちょっと…」


「僕にだって、男としてのプライドがありますし」


「それは、分かりますけど」


「僕的には、お昼のランチもデートの一環的に

思ってるんですが」


「…デート…ですか?」


「ダメですか?」


ダメって…


どっちの意味なんだろう…


デートだと思うのがダメか聞いているのか…

外でランチがダメか聞いているのか…

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