第74話

コンビニに着いて、店内へ。


たまたま目に留まった

スイーツコーナーには

今日新発売のはずの新商品が。


「さすが、東京ですねー。私の地元も田舎では

無かったんですけど、発売日初日には、新商品なんて

並んでなかったですよ」


いい歳した女子が、

コンビニで新商品を見つけて

目を輝かせてるなんて…

社長に、どう思われてるだろう…


という思いも過ったのですが

コンビニの新商品を見て

実家に住んでいた頃は

週3くらいは通っていたコンビニなので

テンションが上がっていました。


「そんなに、地方差ってあるんですか?」


「ありますよ、漫画とかのCDとかも入荷は

2,3日遅れますし…以前、本州の人に、

僻地へきちだと言われました…」


「それは、ちょっと失礼ですね」


「まぁ、北海道なんて、本州の人にしてみれば

そういうもんなんですよね」


「そんなこと思ってる人ばかりじゃないですよ、

僕は、憧れますけどね」


「社長は、優しいですね」


「吉田さんが、生まれ育った場所だからです」


彼女は、それに答えず微笑みながら、

スイーツをチェックしていた。


「好きな人が生まれ育った場所って、物凄く

興味がありますから」


「あ…ありがとうございます」


素で言った言葉だったけれど、彼女は顔を

赤らめていた。

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