第23話

吉田さんの家の近くの駅に着いた。


この駅の付近は

住宅街で夜は少し薄暗い。


やっぱり

送ると言って正解だったなと思った。


雨もまだ降ってるようだし…。


さっきは、思わず肩を掴んでしまったけれど

そんなに嫌がられてはいないようで

良かったと思った。


「雨、なかなか止みませんね」


「本当ですね、今夜は蒸し暑くなりそうですね」


「北海道の夏に比べたら、東京は暑いですよね」


「最近は、北海道も暑くはなってるんですけど、

夏が短いんです、それでもエアコンのある家

増えてるようです」


「え、じゃあ以前は、エアコン無しの家が主流だったんですか?」


「はい、扇風機が活躍していました」


他愛のない会話だけれど、吉田さんの話は、東京生まれで

東京育ちの僕からしたら、興味深かった。


いつか、行ってみたいな、北海道に…

吉田さんと二人で…


そんな仲になるには、まだまだ時間がかかりそうだけど…


それでも初日に、これだけ進歩したのって

結構大きい。


これから、どんどん距離を詰めて

僕を異性として意識してもらえるよう

頑張ろう。


こんなに

近くに居られるのなら

毎日雨でもいいのに。

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