第13話

一応、肩書は社長だけれども…

こんな小さな会社の社長の

しかもかなり年下の男子なんて思われないよう

ちょっと

大人ぶってるんだけど…

ボロが出たらどうしようかと

僕は思っていた。


でも、それよりも

自分のタイプの女の人と

二人で食事という事の方が

嬉しくて、顔がニヤついていやしないかという方が

心配だった。


大学を出て、

2年くらい会社勤めをして

大学時代から作っていた、会社を本格的に立ち上げて

付き合っていた彼女とは

忙しさのあまり、いつの間にか疎遠になってしまったから…



だから

吉田さんは

デートとは、あまり思ってくれていないようだけれど

僕的にはデートみたいな感覚だった。


取引先との商談は

大抵、僕より年上の男性とだったし

今まで、女性が商談相手ということは

無かった。



北海道から来た彼女の口には

どんな料理が合うだろうか。


だいたい、

社長である僕は

どの程度のランクのお店に

連れて行けばいいんだろう…


うーん

でも、ここで迷い過ぎて

せっかくの二人の時間を

潰したくはないし。


とりあえず

無難な

ところで、あの店にしようか。


僕らは、何度か行ったことのある

そこそこ、値段の張る中華のお店へと

足を運んだ。

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