第14話

社長が連れてきてくれた

中華料理のお店。


多分、私がこれから貰う

お給料でも、なかなか来れないだろうな

っていう感じのお店でした。


歓迎会…だと思ってたので

気軽なお店にしてくれるんだろうな

と思ってたんですけど


まさか

こんなお店をチョイスするとは…

しかも、お店に来慣れているようだし


流石は社長。


気楽な

デート感覚では、こんなお店

普通は誘わないですよね。


やはり、ビジネスライク…


二人だけだったからでしょうか

コース料理を注文されてしまいました。


もうこの際、あれこれ考えず

料理を堪能することだけに集中すべきなんでしょう。


お昼ご飯も

ゆっくり食べていなかったので

余計に美味しく感じました。

っていうか

どれもこれも美味しすぎる…


イケメン社長と一緒で

緊張しすぎて、料理も喉を通らないのでは…

と心配してたのですが

あまりに美味しい料理ばかりで

全くそんなことはありませんでした。


「吉田さんが、美味しそうに食べてくれて

ここに案内した甲斐がありました」


そう言いながら、社長は

微笑んでいました。


わー

笑顔が眩しすぎる…

こんなイケメンの前で

普通に食事してる私って…


「す、すみません…食べることに夢中になりすぎてましたね」


「僕は、小食な人より、美味しそうに良く食べてくれる人の方が

好きです」


好き…って

さらりと言ってのけるなぁ

この言葉に過剰に反応してたら、バカみたい…


「ありがとうございます」


私は、何事も無いように笑顔でそう応じました。

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