第6話

イケメン社員だと思っていた青年は

なんと、この会社のトップの社員でした!

ただの人事の人かなと思っていたら

全然違っていたのでびっくり!!!!


そんな人をイケメンで癒されるな。

とかそんな目で見て、今さらながら反省してしまう

私でした。


年齢を聞いてさらにびっくり!

私より下の年齢だと思っていましたが、

10歳くらい下でした。


この人で、この年齢ということは

他の社員の人も若いだろうな…

私、年齢で弾かれる可能性大だな。

でも、今日は、イケメンに会えたし

そんなに悪い日ではないから

良しとしよう。


そんなことを思いながら

イケメンの青年の話を聞いていました。


「僕は、雨宮 優と言います」


そう言って、彼は私に名刺を

差し出しました。


「素敵な名前ですね」


「ありがとうございます」


私は、簡単に名前の説明をして

名乗りました。


「吉田 遥です」


「名前、一文字なんですね。僕と同じだ

見ての通り、社員が少なくて

猫の手も借りたいほどなんですよね」


「求人票見たんですけど、4人で男女構成が

女性が今のところ、お一人ですよね」


「そうですね、吉田さんが来たら二人になりますね」


…え?

雨宮さんは、面接を受けに来ている私が

期待するようなことをあっさりと言ってのける。

そんなこと言われたら期待しますけど。

採用になるって。


でも

履歴書も書かなくていい会社って

なんか心配。

名刺は貰ったけれど。


「困ったな。面接って、他にどんなこと聞くんでしょう?

僕も、昔、面接をしてもらったことはあるけれど

随分、昔過ぎて忘れてしまいました」


「履歴書が無いから、私のデータ不足ですよね」


「はい、会社を設立したのも最近なので

もう、どうしたらいいのかさっぱりなんです」


「とりあえず、私はパソコンの資格を持っているので

簡単な表は作れます。タイピングは得意です。

名ばかりですが、簿記3級の資格も持っていて

あと、ご存じかどうかは知りませんが、

ファイナンシャルプランナー3級の資格もあります」



「随分、色々と資格をお持ちなんですね」


「転職に有利と聞いて、色々取ったんです。

でも実際は、全然有利ではなかったんですが」


私は苦笑いしながら、雨宮さんに返事をした。


「そうそう、経歴とかは、どういう感じなんですか?

事務の仕事がメインだったんですか?」


「そうですね、ほとんど事務の仕事を渡り歩いてきました。

公務員時代を含め、事務職が長いです。」


「え?公務員をされていたこともあるんですか?」


「はい、公務員試験受けましたから」


「凄いですね。公務員か。」


「まぁ、公務員も上から下まで色々ありますからね」


「なるほど。吉田さん、今日は他にも予定が入っているんですか?」


「いえ、面接は、こちらの会社のみです」


「あ…えーと…」


雨宮さんは、言葉を詰まらせた。


あれ?

私、何かおかしなことでも言ったのかな?

結構、勘違いすることが多いからな。

いや、でも今の会話はおかしなところは、無かったはず。


私は、雨宮さんが言葉を続けるのを待った。

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