第4話

面接する会社の場所は、ハローワークから

一駅の場所だったので、余裕がありました。


東京のハローワークの雰囲気分からないから

わりときっちりした、格好で来たけれど

正解だったな。

当日、面接になるんだから。


スマホで地図を見ながら、慣れない東京にある

その会社が入っているビルを探しました。


えーと…コンビニの傍だから…

こっちか。


初・東京面接。

緊張するなー。

新入社員の気分。

就職したての頃が懐かしいな。


ドキドキしながらもビルを探し当て

深呼吸しながら

その会社のある階へ

向かいました。


エレベーターを待っていたら

爽やかそうな青年と

鉢合わせしました。


わー、イケメンだ。

なんだか幸先いいかも。


「何階ですか?」


とイケメンに聞かれました。

わー、声もイケボだ。

この人、このビルで働いている人なのかな。


「あ、7階です」


イケメンは、7階を押すと

ジーっとエレベーターの入り口の上に表示される

数字を見ていました。


他の階を押さなかったところを見ると

同じ階のよう。


7階に着くと

エレベーターの開くのボタンを押したまま

イケメンは、私を先に促しました。


「すみません、ありがとうございます」


私は、そう言って

エレベーターを降りました。

7階に着いてフロアの案内をチェックしている横を

イケメン青年は通り過ぎていきました。


あの人も同じ階なんだ。

もし、この会社に決まったら

毎日、あの人と挨拶交わせるのかも。


なんて

まだ面接すら受けていないのに

勝手にそんなことを想像しては

浮足立つ私がいました。

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