第42話

そして、そのあと私たちは


何度かキスを交わして


そろそろ寝ようかという事になりました。


でも、もちろん私は一人暮らしなわけで


ベッドも一つしかないわけで・・・。


でも、だからと言って先輩をソファに寝かせるわけにはいかないです。


今までは、女の子の友達しか泊まらせたことが無かったので、そういう心配をしたことが無かったんですよね。


で、一緒のベッドで寝たり、ずっと起きてたり?


そんな感じだったんですけど・・・


先輩は、明日もバイトがあるはずだから、まさか寝かせないというわけにも行かず・・・


って寝かせないってそういう意味じゃないですよ?!


えーと、普通にベッドで寝るとか寝ないとか・・・


なんだか説明すればするほど、いやらしい感じがしてきた・・・


とにかく!!


さすがに、私から、一緒にベッドで寝ましょう!


とは云えないんですよね。


だから、私から


「あの、先輩、私、今日は、まだ目が冴えちゃって眠れないんで、良かったら、ベッド使ってください」


と言いました。



「お前、無理してるんじゃないか?」


「いえいえ、そんなことないですよ」


「いや、お前の考えてることは、ちょっと違うな」


「どういう意味ですか?」


「いや、お前、男泊めるの初めてなんだろうし」


と、云いながら先輩は自分の頭を掻きました。


何か言いにくいことでも、あるんでしょうか?


「俺の狼発言、まだ忘れてないんだろ?」


あ・・・・



いえいえ、忘れてました。


だって、今日の先輩いつもとなんだか、感じが違うし。


思わぬ発言続出だったし。


私も、とんでもないこと、さっき言っちゃったし・・・。



「狼なって欲しい?」


「え?」



何それーーーーー!!!


『狼になって欲しい?』


って・・・ここで、そんなこと聞いてくる?!


どきまぎしていたら先輩が、また意地悪っぽく笑いながら


「嘘」


と言いました。


今日は、先輩に騙されっぱなし・・・


でも、多分紙一重で半分本音を言ってる気がする・・・


そう思いました。



「この家って、もう一枚蒲団とかないの?」


「ええ、すみません・・・なので私、ソファで寝てます」


「バーカ、自分の好きな女にそんなことさせられるか」


え?


今、自分の好きな女って言った?


言いましたよね?


う・・・嬉しすぎる・・・。

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