誰もが羨むような恋

第36話

後期の授業も始まり

久々に、いつものたまり場に顔を出してみると・・・



あー・・・なんだ先輩、今日は、居ないのかな・・・



相変わらず、彼氏になっている人にも関わらず、付き合う前と同じテンションの私でした。



・・・確かに、キスも相当しましたよ!

・・・確かに、手だっていっぱい繋いでますよ!


でも、私にとっては、先輩は、やっぱり特別なんです。


彼氏とか先輩とか超えるくらいに・・・。



と思っていると、夏休み前の飲み会で、私に告白してきた、糸井君の姿が、前方に見えます。


私は、たまり場に入るか、それとも、糸井君に、吉野先輩と付き合うことになったことを正直に伝えるか悩みました。



すると、後ろから


「何してんの?」


という天からのお告げのような吉野先輩の声が!



「あ、先輩!」


「あのなー、お前、いい加減俺の名前・・・」



「あ、香山先輩だ!ちょうどいいところで出くわした」



そう云って、糸井君が私の方に駆け寄ります。



ど・・・どうしよう。

サークルのみんなには、まだ吉野先輩と付き合っていることは云っていません。


もちろん、糸井君にも、何も告げてません。



「夏休み前に、俺が告白したの覚えてます?」



糸井君は、吉野先輩と私のことを、全く知らないので、平然とそんなことを云ってきます。



「あ、う、うん。覚えてる」



「先輩の気持ちをちゃんと・・・」



と糸井君が云いかけたところで



「悪い、先約だから」



と云って、吉野先輩が、私の肩に手を回してきました。



「え?な、いつの間に二人って?」



糸井君は腑に落ちない様子。



「すくなくとも、俺たちは、最初から、こうなる運命だった」



先輩は、いきなり、ものすごいことを言い出しました。

私は赤面ものです。

何も云えるはずもなく・・・。




「そこまで云われたら、もう俺じゃ敵いませんね」



糸井君、あっさり引き下がるかと思ったら、いきなり、たまり場に入ったかと思うと



「先輩方聞いてました?吉野先輩と香山先輩って、つきあってるみたいですよ」



わざわざ、サークルのメンバーに大声で私たちのことを公表しはじめたじゃないですか!



「そうなのか?!吉野!お前なかなかやるなー」


たまり場の方から、山下先輩の声が聞こえてきました。


「よし!今日は飲み会だ!」

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