第30話

というわけで今、私は、先輩の家の駅のそば。



なんと!

はじめて先輩の部屋に突撃しちゃいます!



とテンションを無理やりあげてます・・・


だって、そうでもしないと・・・



「粗相のないようにとか良く言うけど・・・私って、粗相のあるようなところて、あったっけ?」



こめかみを押さえながら、考え込んでいると、私の視界が黒い影で遮られました。




「何やってんの?」



はっと気づいて顔をあげると、吉野先輩の姿が!



「あ、せ、先輩!!こ、これは・・・その

えーと・・・」



私は、赤面しながら、慌てて否定をしようとしたけれど、うまく言葉が続きません。




もう・・・私のバカ!


どうしてこういう時に限って、ちゃんと言葉が出てこないの!



「やっぱ可愛いな」



慌てている私をそっちのけで、先輩は私の顔をじっと見て、そう云って笑顔になりました。



だから・・・


私は、また赤くなってしまったじゃないですか!!



っていうか、心臓が・・・もたない・・・です。


悔しかったので、今度、先輩に会う時は、



『先輩!格好いいですね!』



なんて・・・口が裂けても言えない・・・


っていうか、言う前に気絶してるかもしれません・・・・




なんていうくらい緊張してること先輩は知ってるのかなー・・・。

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