第27話
自分の部屋についてからも
先輩の触れた唇の感触が抜けず
放心状態の私
たった一日で
ものすごい展開ですよね
なんだか今日は寝れそうにない
と思っていたら
携帯が鳴りました
表示された名前は
吉野一樹
となっていました
せ、先輩だ
メールじゃなくて
電話です
さっき一緒に過ごしたばかりなのに
緊張して
電話をとる手が震えます
なかなか、電話に出れずにいたんですが
やっと電話に出ました
「もしもし」
「俺」
「はい」
「家着いた?」
「はい」
「ほんとは、朝まで一緒にいたかったんだけどな」
先輩も同じこと思ってくれてたんだ
「いきなり、朝まで一緒は、どうなのかと」
他の人ならともかく
先輩となら
どうでもいいです
でも、朝まで一緒だったら・・・
だったら、どうなってたんでしょう?!
「ずっと一緒にいれたらいいのにな」
ずっと・・・かぁ
「あ、これは、お前の顔見て言いたかったな」
先輩ってこんなに、甘々だったの?
無口で無愛想で、無関心で
私の想定外なことばかり
「さっきまで一緒だったのに、声聞きたくて仕方無くて、気づいたら、電話してた」
・・・駄目だ
私の心臓、壊れちゃうよ
あのいつもの先輩とのギャップにますます恋心を募らせてしまいます
「ずっと俺だけ見てろ」
「見てます」
「約束な」
この時、私は、先輩のずっとの意味を分からずにいました
ずっと
って言う言葉の重さを知らずにいました
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