第22話

好きです




そう自分の口から伝えるべき言葉を先輩に言われてしまい



かぁーっと自分の顔が赤くなるのを隠せずにはいられませんでした




気付かれてたんだ



そして、急速に私の心が冷えていくのを意識せずにいられませんでした




気づいていたのに


あの態度って




つまり


脈なし




ということですよね




ただ見てるだけで良かったんです

この気持さえ伝えなければ

先輩を好きで居続けられる


好きになってもらえなくても


ずっとあのたまり場で

先輩と一緒にいられる


先輩の姿を見ていられる



でも、現実はそう甘くはなかったみたいです



私の密かな片想い



ここで終わってしまいました




「私、糸井君とつきあいます」


「は?」



脈なしの、この恋を忘れるには、糸井君と付き合ってしまえばいいんだ



発作的にそんなことを思って言いました




「好きなのか?糸井が」


「そんな、分かってるなら聞かないでください」


あまりに落ち込んでしまい

先輩の目を見ることができませんでした



先輩はため息をつきました



「分かってるなら、聞かねーよ」



次の瞬間

私は引き寄せられるように

抱きしめられていました



先輩の腕の中で・・・

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