第61話

「ど、どういうこと?え、弟?!付き合ってる?!え!?彰人どういうこと!?」


「藍美、痛い…。俺もよく分かってないんだけど」


バシバシとあきちゃんの肩をたたく藍美。


「ああ、彰人の双子の弟です」


補足の説明を加える李人さん。

きっと藍美が気になっているのはそこではないと思うのだけど。


「ふ、双子!?え!それで愛美と!?え、何で!?」


藍美がこんなに混乱する姿は初めてだ。


「まあまあ、藍美。えーと…李人、お前退院してたのか」


「うん、結構前に」


「それで、愛美と付き合ってるって?」


「うん、そう」


「何で言わなかった?」


「今日付き合ったから」


淡々とこなされる双子の会話に私たち姉妹はついていけなかった。


会話には入らないと察した藍美が口をパクパクしている。


申し訳ないが、私もついていけていないので、きっと私も変な顔をしているのだろうと思った。


…ってか、付き合ってるって…


なんの躊躇いもなく言い放った李人さんにドキリとしつつ、同時にハラハラもした。

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