第49話

「連絡先、交換しておこ」


そう言って彼は手早く連絡ができるアプリを出した。


「あ、うん…」


これから、この人といるなら連絡先は必須…。

そう思い、スマホを取り出した。


高梨たかなし李人】


高梨が2人目になった。


「愛美の背景、桜?綺麗だね」


「あ、うん…」


あきちゃんと、藍美と花見に行った時のもの。

それは言えなかった。


「りひと…さんは…虹だ…」


「そう、てか、李人さんって」


クスッと彼が笑った。


「いやだって!あきちゃんと双子ってことは、歳上ですよね?」


「まあそうだけど、一つ違いでしょ?」


実はさっきからタメ語でいいのか、敬語を使った方がいいのか混乱していた。


そして、なんて呼んだら良いのかも困っていた。


「あきとはあきちゃんなんだから、りひちゃんとか?」


「ぶはっ…!」


思わず、吹いてしまった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る