第48話
あの後ー。
彼に手を引かれ、式場に戻った。
「じゃあ行こう」
と言われ、引かれた手を離す勇気はなかった。
自分より、大きい手。
あきちゃんの手もこうなのだろうかと思ってしまう。
ーダメだ…ちゃんと終わりにしなきゃ。
この人を信じると決めた。
だから、私も変わらなければならない。
ロビーに戻ると、彼が振り返った。
「ここからは、どうする?」
一緒に行く?という意味だったと思う。
「…1人で、いいかな。メイクも直したいし」
「そっか…」
なんとなく寂しそうな彼の表情が胸に刺さった。けれど、次の恋をすぐ受け入れられる気持ちもまだできていなかった。
ー信じるって言ったのに。
矛盾していることは分かっていた。でも、やはり式場に戻ればあきちゃんを見つめてしまうんだろう。
「
「ん…」
「スマホあるよね?」
「う、うん」
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