第16話

スタッフに案内された場所は、式場の裏側にある広場だった。


ガーデニングパーティのような結婚式をする人もいるらしく、花畑が見事だ。


この場所にふさわしくないのは私くらい。


噴水があり、その近くのベンチに座った。


ー彼氏、作ろうかな…。


語弊がないように言っておくと、別に彼氏がいなかったわけではない。


けれど、長くは続かなかった。


一つは、藍美のことを好きになる人がいたから。


この時はメンタルがズタズタになった。


二つは、私が違う人を見ていることがバレたから。


これに関しては、申し訳なかったと思う。


結局、あきちゃんじゃなきゃ満たされない何かがあり、誰とも進展せず、ここまできた。


ー24歳ってどうなの?


周りには結婚し始める友達もいた。


けれど、それは【選ばれた】人たちなのだ。


ずっと【選ばれない】人生を送ってきた私に、これからの未来なんて期待できるはずがなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る