第15話

一通り泣いた後。


鏡の中の自分は、メイクは崩れなかったものの、大泣きしたことが分かるほど充血していた。


式場で泣くならまだしも、外で泣いてきたとなると、誰かに怪訝な顔をされるだろう。


けれど、式に戻らないわけにもいかない。


「はぁ…」


最悪、2人の軌跡を辿る物語は終わっているはず。


そうたかを括って戻ろうとしたが。


入り口のスタッフに止められた。


「今、ご友人様のスピーチですので、少しお待ちください」


「あ、はい…」


言われるがまま、後退りをした。


ここで待つのも恥ずかしい。


ー風にあたりたい…


そう思って、スタッフに声をかけた。


「どこか、涼めるところありますか?」

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