第4話

入学しなきゃ良かったと思ったのは、ブレザーに袖を通して、すぐだった。


高校は電車通学。


藍美は私より早く家を出ていた。


だから、知らなかった。


ーあき、ちゃん…?


ーお、愛美じゃん!ブレザー似合うね!


にかっと笑うあきちゃん。


嬉しかった、けれど。

どうして家の前にいるのだろう?


そりゃ、嬉しいけど。


ーごめん!彰人あきと


ーおせぇぞ、藍美。


嫌な予感はすぐに当たる。


一筋の汗が首に流れ、ごくりと唾を飲んだ。


ー藍美、もしかして…?


ーあ、愛美…ごめんね。今日は3人で行く?


ーそうじゃなくて…。


ナンデアキチャンガ?


まるで自分ではないような声が出た気がした。


そして、言ったのかどうかもわからなかった。


ー私たち、付き合ってるの。


ほら、悪い予感は当たる。


私はまた【選ばれなかった】。

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