第3話
それでも、好きな人がいた。
付属品の私にも優しくしてくれる人。
幼馴染のあきちゃん。
お姉ちゃんの同級生で、私の一つ上。
本名は
優しくて、かっこよくて、人気者のあきちゃんは、私と藍美をちゃんと区別して見てくれていた。
一度あきちゃんにこぼしたことがある。
ー藍美は何でもできるのに、私はどんくさくてだめだ。
進学校に進学した姉と同じ道を行けという両親の期待に耐えられず、中学生の私は泣きながらあきちゃんに相談した。
そんな私の頭を、あきちゃんは優しく撫でてくれた。
ー愛美だって、努力してるだろ。俺は知ってる。夜まで愛美の部屋、電気付いてるもんな。
たったその一言。
その一言で私は恋に落ちた。
ただの幼馴染だったあきちゃんが、高校生の制服を着たカッコいいお兄さんに見えたのは、それからだった。
あきちゃんも藍美と同じ学校。
ーよし、がんばろう。
そうあきちゃんの一言で思えた。
そして、合格したら。
あきちゃんに、この想いを伝えよう。
そう思っていた。
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