恋の終わり

第2話

藍美と愛美。


あいみと、まなみ。


漢字が同じ読み方をするのに、姉と私は随分違う人間だということに気付いたのは、いつだろう。


年子の私たち。


顔も似ている方だと思う。


それなのに。


私は【あいみの妹】でしかなかった。


美人で、頭が良くて、優しい藍美。


と、その妹。


まるで姉の付随品。


それに気付いたのは、誰もが私に藍美と恋をするための相談をしたからだ。


ー藍美ちゃんと付き合うには?


ー藍美さんってどんな人がタイプ?


ー彼氏いるの?あ、藍美ちゃんね。


この世には、選ばれる側と選ばれない側がいる。


私は【選ばれない】人間だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る