第71話

トイレに行くふりをして係の仕事から一旦外れた。


その手の話題は苦手なのだ。どうせ1人いなくても大差はないだろう。


ふと、


ーそういや、予約してた本きたのかな。


急に思い出し、足が図書室へ向く。


その時だった。


「わっ!」


目の前で声がする。

誰かにぶつかってしまい、かけていた眼鏡を落とした。


ーやばっ!何も見えない。


ってか誰かを突き飛ばしてしまった気がする。


「ごめ…」


「あー!」


突き飛ばしてしまった方から声がする。


「ご、ごめんなさい…!」


オドオドした声。


いや、謝るのは俺のほうなのだが。


「め、眼鏡が…」

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