第70話

彼女に惚れたのはそう、去年の文化祭のことだった。


そうか、今頃だったか、


彼女を好きになって、その彼女が他の人と付き合い始めたのは。


人間関係もテキトーな俺は、文化祭なんてテキトーにやればいいと思っていた。


元々進学率が良くて入った高校だ。

勉強以外のことにはあまり興味がなかった。


ー喫茶店とか、めんどくさ…。


文化祭では全部のクラスが何かを売り、その売上を競うなんてものがあった。


勉強の時間が無くなるのは嫌だったが、参加せずに何かを言われるのも嫌だったので、とりあえずテキトーな係になって仕事を無難にこなしていた。


男子ばかりの係でむさくるしかったのを覚えている。


「なーなー文化祭で好きな女子に告ろうぜ!」


陽キャな男子が声を上げた。それにつられて他の男子も誰が好きだの可愛い子はだれだの話はじめた。


ーくだらね…

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