第9話
「きゅ、急に話しかけて、気持ち悪いですよね…」
「はぁ…まあそうですね」
おっとオブラートにも包まずはっきりいってしまった。
大抵の男性はここで【なんだこの女】と思うんだろうけど彼は違った。
「面目ないです…」
とシュンとしている。
まあ私に話しかけたのも何か寂しさ?みたいなオーラが出てしまっていたのかもしれない。
「ここの席、使いますか?私、出ますから」
きっと席を譲って欲しいのだ。
満席だし、丁度良い女と思われたのだろう。
あー本読みたかったけどまあ別のカフェを探そうか。
そう思ってコートに手を伸ばしながら、彼の顔をチラリと見た。
「は…?」
その男性は、思いっきりキョトンとしていた。
何か、間違えただろうか?
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