第7話
本だけが癒しで、今日は半休をとってカフェにきた。
店員も忙しくなったのか私語が消えた。
静かな空間に甘ったるいクリームの乗ったココアを飲む。
なんて最高な時間だろう。
この時間だけは幸せそうな他人を見る現実から離れていられた。
何冊も買いだめした本を一気に読む。
趣味が雑多なので特にこれといって推しはないが、
最近はどうもリアルに通ずる本が人気な気がする。
そんな私も人気な本は手に入れては読むのだが。
「その本、面白いですよね」
「え…」
すぐに顔をあげた。
そこには知らないスプリングコートを着たスーツ姿の男の人が立っていた。
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