第51話

「ごめん!楓ちゃん!」


委員長が謝る。


結局あの後客足が途絶えることはなく、気がつけば1日目の終了まであと1時間になっていた。


「他の人は勝手に休憩とるから楓ちゃんに甘えちゃって…ほんとごめんね!」


委員長が頭をさげた。


かけている眼鏡がずり落ちそうなくらい深々と。


「謝んないでよ。委員長も休憩ないんだから」


「でも私はタピオカって決めた責任があるから」


「私だってそれを決めたクラスの1人だから、全然いいんだよ」


「楓ちゃん…ありがとう」


夕方になり客足もまばら。


「じゃあさ、これから休憩でもいい?委員長」


「玲唯くん…」


「楓、こっからの予定は?」


「え?特にないよ。お店の片付けはしなきゃだと思うけど」


「じゃあ委員長。こいつ借りて休憩行ってくるわ」


「え!?」


委員長がにんまりする。


「ごゆっくり!片付けはその時間のシフトの人に任せるから大丈夫!」


「だってさ、楓。行こうぜ」


「え、えぇ…」


「いってらっしゃい!」


委員長に背中を押される。


目の前には玲唯。


ちょっと待って。


もしかしてこれって文化祭マジック。


っていうか…普通に。


デート…だよね?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る