第49話

いよいよ文化祭が始まる。


思ったよりも忙しく、

暑かったせいかタピオカ店は大繁盛だった。


委員長が的確な指示を出して、シフトのメンバーで頑張るがそれでも回らない。


いつのまにか私の休憩時間になったが、

接客や調理で抜けられそうになかった。


里奈が裏方にやってくる。


「楓、もう休憩だよね?」


「そうなんだけど…無理そう!里奈たちで先に回ってきて!」


「そんなわけにわいかないよ」


「ステージライブが始まったら、客足が途絶えると思う。楓ちゃん、もう少し手伝って!」


委員長が私に声をかけた。


「わかった。里奈!本当に大丈夫だから!終わったら連絡する!」


「わ、わかった…!でも本当に大変なら連絡してね!」


里奈はそう言って、友達を連れて教室を後にした。


しかし、委員長の読みは外れ、ステージショーに興味のない家族連れが多くなった。


目まぐるしい忙しさと、暑さで倒れそうになる。


「ひゃっ!」


急に頬に冷たいものがあたった。


「スポドリ」


「玲唯…!?」

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