第41話
髪はボサボサ、メイクもしていない。
のに目の前には好きな人。
どういう状況!?
とあたふたしている私に、
読んでいた教科書を玲唯が閉じた。
「お見舞い」
「は…」
ガサゴソとバッグから玲唯が取り出したのは、レジ袋。
ゼリーやプリン、ゼリー飲料などが入っていた。
「グレープ味ばっか…」
「好きだろ?楓」
「まあ…そう…って、どうやって入ったの!?」
「窓の鍵空きっぱ。あぶねーぞ」
「あぶねーぞって…あんた侵入してるじゃん」
「俺はいいの。ってか熱下がったのかよ」
何がいいのだろうか?
わけがわからないが、とりあえず熱を測る。
ー38.0
下がってはいるが、まだ頭痛がする。
「おばさんから連絡もらったんだよ。お前、風邪ひくと何も食べなくなるから心配だって」
「お母さんが?」
「そ、どーせなんも食べてないんだろ?」
「いや、そんなわけ…」
「冷蔵庫におばさんが作ったもの入ってたよ」
「あんた冷蔵庫まで見たの?」
「だって何が必要かわかんねーし」
ということはこいつは2回も侵入してきたことになる。
通報したら捕まるんじゃないかと頭痛がする頭で考えた。
まあでも。
「ありがと」
「どういたしまして」
じんわりと心が暖かくなるのを感じた。
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