第31話
「玲唯くんに彼女とかありえない!」
紅羽がテーブルに突っ伏したのを横目に、夕飯のハンバーグに手をつけた。
こんなに感情を出せる妹が本当に羨ましい。
「あら玲唯くんは楓の彼氏でしょ?」
お母さんの一言が刺さる。
「違うって…」
「お姉ちゃん!なんで玲唯くんのことほっといたのー!これじゃ2人目に行かなきゃじゃん!」
ー2人目とは。
「何?2人目!?誰だそれ!」
「紅羽と同じクラスの子〜。足が速くてイケメンなの〜!」
「ま、まだ早いだろ紅羽!」
次の恋に行こうとする妹と、慌てふためくお父さん。
全く呑気で羨ましい。
「で、楓はいいの?玲唯くんのこと」
「いいもなにも、単なる幼馴染だし」
「ふーん」
母だけが何かを察しているような含みのある相槌を打ってこの話は終わり、紅羽の新しい好きな人の話題にうつっていった。
ブー。
スマホのディスプレイには【玲唯】の文字があり、
たった一言。
【今から部屋行っていい?】
と表示されていた。
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